? 児童雑誌「キンダーブック」の創刊号はどんな内容だったか知りたい。(一般)

【回答】

「キンダーブック」は1927(昭和2)年11月にフレ−ベル館より創刊された。創刊号(第1輯第1編)は「お米の巻」。B4判32ページ多色刷、定価50銭で、初版は三千部。表紙にはミレーの「落ち穂拾い」を使い、田植えから収穫・精米までの過程と、米を用いた製品などが絵とともに説明されている。

【調査過程】
■自館システムの逐次刊行物名検索で「キンダ−ブツク」を検索するが未ヒット。
■『日本児童文学大事典』2巻(大阪国際児童文学館編 大日本図書 1993)で「キンダーブック」を引く。創刊号について説明あり。また、参考文献として『フレーベル館七十年史』(フレ−ベル館 1977)が挙げられている。
■自館システムで、『フレーベル館七十年史』を検索するが未ヒット。
■児童図書研究コーナーで資料を探す。『幼年絵雑誌の世界』(中村悦子著 高文堂出版社 1989)に第四章「『キンダーブック』の頃」があり、創刊号の表紙の写真、目次の内容などの掲載あり。

【キーワード】
■「キンダーブック」■フレーベル館■雑誌

【参考資料】
◆『日本児童文学大事典』2巻(大阪国際児童文学館編 大日本図書 1993)
◆『幼年絵雑誌の世界』(中村悦子著 高文堂出版社 1989)

【調査にあたって】
「キンダーブック」は、1926(昭和元)年の幼稚園令に対応した観察絵本として、幼稚園への直接販売方式という形で発行された幼児絵雑誌。芸術的・叙情的な内容だった「コドモノクニ」(当時は東京堂発行)とは対照的といえる。私自身も幼稚園のころ親しんだ雑誌だが、今回の調査ではじめて歴史のある雑誌だと知った。創刊号は、複製版が東京都立日比谷図書館の児童資料室に所蔵されている。『日本児童文学大事典』全3巻は、日本の児童文学研究の基礎資料として最も使用される事典。児童文学の分野で活躍した主要な人物、文芸用語・事件・出版社などの事項、雑誌・同人誌・新聞などの逐次刊行物、明治から昭和に刊行された叢書一覧を収録している。

作成日:2000/3/31